教授!

「さすがサンデル殿、まことに聡明であられる!」

鬼武者のアレ。かこいい。マイケルサンデル氏まじ聡明!つるぴかっ!

閑話休題、本題。
日本人の議論展開をみてると諸外国と決定的に違うのが国家的視点の欠如だと思う。グローバルスタンダード(やや死語)に持つべき視点で最低限必要なのは個と国家じゃないのかな?まあ個を家族に置き換えても別にいいんだけどさ。自分ちとよそんちみたいなのは何だろアレ。ウチはウチ、ヨソはヨソでいいじゃないか。


宗教観については議論からずれやすいのでなるべく入れたくはない。僕は特に信仰してるものはないけれど他の宗教家にとっては思考の礎になる部分だから最低限の知識だけ。

ハーバードの学生は個の考えを国家にどう役立てようとか政府の役割とかを交えて議論展開する。先の件で例えると「産み分けの選択は個の自由で、国家全体の男女比が±10%超えたら調整弁として抑制する機能が必要。これは政府がすべき。」とか。最高裁だったり政府や国家中枢に入りたい連中が多いから当たり前かもだけれど、裁判官制度を長くやっていたりとか裁判が身近にあったり国家としての独立が最近なのも大きいのかも知れない。

美意識とか美徳。これは侍スピリッツよろしく武士道精神的に好きなことは好きなんだけど宗教と一緒で抽象的だから議論に交えるとうやむやになりやすい。論点ずれると平行線だし聞いていて飽きてしまう。

こうした的を得ない漠然とした意見がオーディエンスから出ると、サンデル教授は巧みに論破して論点を元に戻すのだけどこの論破がじつにスマート。”たしなめられる”という表現が適切かどうかわからないけれどそんな感じでじつに気持ちいい。

あくまで授業なのでサンデル教授の個人的意思や意見はほとんど出てこないし、誘導尋問のテクニック集と皮肉ることもできるけど、それでもサンデル教授まじ聡明!

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学

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