ゼーガペイン!

思い出したようにzegapainをみてる。

サンライズの本気というか、すごいアニメ。ゼーガを批判してる人をあまりみたことがない。まごうことなき厨二病向け作品なのだけど、実際中二のときにみていたらきっと今とは違う人生を歩んでいたかもと思う。それくらいの影響力。


ゼーガも主要な軸がシュタゲ同様に近年の量子力学の観点で構成されてる。空間異動だったり量子コンピューターだったり、リ・ョ・ウ・シ・ノ・チ・カ・ラ!

よくあるロボットものとひと括りにできない要素として、戦闘でゼーガペインに乗る(転送される)際、個人データに少なからず損傷を受けるというところ。そして失敗すると自我消滅や全消滅する可能性すらあるということ。登場人物は幻体だから一定以上のデータを失うと個としての姿を保てなくなる。

幻体じゃない普通の人間で例えれば「エンタングル!」で転送されるたびに微小の遺伝子が損傷もしくは大幅な損傷の恐れがある、という感じ。こわい。


他にもたくさん他のアニメと一線を画す要素があるのだけど、僕はこの地味な設定に一番感動した。アニメの戦闘って基本、どんなピンチでも負けるわけないのでわりとお気楽にみているのだけれど、この設定のせいで内容はともかく、一戦一戦に命を削って戦闘に臨んでいるというキャラクターの心情がとてもリアルに感じられた。実際の戦闘ってそういうものだと思うし。

このことを知らないときのキョーちゃんは楽しそうに「エンタングル!」って言っていて、知ってたらこんなお気楽に言えるわけないな、とか。


あとはカミナギの不遇な扱いがすごい。セレブラントになってすぐに才能が開花し、これからというところで転送エラーに見舞われちゃう。その結果、ゼーガの中でしか幻体を維持できなくなる。これは切ない。でもカミナギはキョーちゃんと一緒にいられればいいとか言っていて処遇に対しても前向きすぎて泣ける。

カミナギエヴァでいうところの碇ユイみたいなポジションになるのかな?とか思ったけどちょっと違う。最後の方はゼーガから離れても幻体でてるじゃん!みたいに思う箇所が幾つかあるけれどまあ気にしちゃいけない。


もうひとつは現実世界と仮想世界の描写バランスが本当に丁寧に感じた。だいたいこういう話だと後半は仮想世界がおざなりになってくるのだけど、ゼーガに関しては仮想世界である舞浜サーバーを守るという最大目的のために、動機づけとして舞浜サーバー内での出来事や人物描写をとてもしっかりと練っている印象を受けた。

舞浜サーバーは400人程度のヒトゲノムを生かし続けるために、一定期間の時間を加速し続ける仮想現実世界。主に学生がメインでエンドレスエイト的に1学期終りから夏休み終りまでを繰り返す日常なのだけど、この繰り返しのなかでランダムにセレブラントに目覚める者がでてくるあたりは、仮想現実の中から実際の生命が生まれる可能性というか、サーバーも生命のゆりかごになり得る的な希望があるのかな。だとしたら深い。


「消されるな、この想い。忘れるな、我が痛み」


有名なコピー。内容を見て知ってあらためてみるとうつくしい。

惜しむらくは最後のカミナギ妊娠エンド、なんだこのエロゲ。2クール作品なんだし最後の締めはもう少し丁寧に描写して欲しかったな。

あとゼーガは歌がいい。花澤香菜さんの歌だったらもっとよかったのに。

リトルグッバイ

リトルグッバイ