持ってんな!

アジアカップ優勝!きもちいい!



本田△が”持ってる”種類の人間っていうのはW杯で有名になりましたけど、正直今大会の現行メンバーは”持ってる”のが多いと思うのです。

過去をみてもカズ、ヒデ、とか各年代に一人いるかいないかくらいだったのが、ここにきて急に、本田、カガーと”持ってる”メンバーが中盤にそろい、なおかつ一番重要である監督ザック!あのイタリアンが”持ってる”ワケですよ!これはつよいですよね!



僕的な”持ってる”の指針というか定義は、とにかくワールドクラスのメンタル!これに尽きる。他にも、巧みで狡猾なこと、お得意パターンがある、いち早く結果を出す、とかの裏設定もありますけど。

誰とは言わないですけど技術とセンスだけなら超一流とか、スタミナだけは超一流とか、個性のある選手なら他にもいっぱい居るのですけど、重要な局面でマリーシア(試合に勝つためのずる賢さ)ができちゃったり、結果を出すタイプの人間って、ブレない心というか、信念の強さみたいなのを持っていて、それがにじみ出てるから周りからも頼りにされて、結果的にチームに良い影響を与えると思うのです。

なので、W杯の常軌を逸した活躍はもちろん、アジアカップでも中盤で不沈艦のごとく倒れず、ボール預けたら滅多にとられない本田△とか、カタール戦の3連続中央突破逆転劇の立役者カガーなんて”持ってる”としか言いようがないです。チームにものすごい自信とインパクトを与えたでしょうし。



で、ザックなのです。これはヒデのときがわかりやすいのですけど、日本の場合(あくまでイメージ的に)”持ってる”トップ下が司令塔になって絶対な女王蜂、周りは働き蜂みたいに献身的に働くべき、みたいな組織になりがちで、また選手や国民の声もそういうわかりやすいのを好む傾向があります。

そういうのもあって今回のアジアカップ、特に準決勝、決勝のプレッシャーある場面、オシムは除いたとして、もしトルシエとか岡ちゃんが監督だったら、本番で守備的な意識からトップ下は本田かカガーどちらかを選んでどちらかは外していたと思うのですよね。

というか4-2-3-1の3をカガー・本田・松井なんて中盤の守備的負担を考えてジーコとザック以外はたぶんやらないのではないかと。

でもザックはあくまで4-2-3-1にこだわって3は攻撃的MFというのを変えなかった。松井・カガーの怪我による離脱はあったけど当初のフォーメーションを強く意識してそのままいった。これって、代わりに入った選手たちもカガー・本田・松井という本来の攻撃的中盤をひとつのモデルとしていることを、つよく意識せざるを得ない。

個々人のプレイスタイルの違いはあるものの、モデルがあるのでそれに見劣りしないようプレーしたのだと思う。選手が変わっても活躍できるのはデフォとなるフォーメーションの構成、イメージが早い段階で確立していたから、という推測ですけど。



決勝の後半でDFを入れたと同時に岡崎を右サイドに戻したのも、そういう攻撃的中盤の意味で岡崎は右サイドのほうが生きる、上手くいくと思って戻して、それから攻撃が徐々によくなってきた。藤本がアレだったのはしかたがないけど結果的にうまく修正した。

圧巻は李の投入。FWでありながら代表でまだ結果をだしてない、ほとんど実績のない李をいきなり決勝の舞台で入れるとか、もし活躍しなかったら「まったく理解不能な無意味な交代」にもなりかねないギャンブルをあててしまった…これはたまげました。

んで優勝しちゃう。決勝は試合内容を見る限り、もしカガーが居ればおそらく90分で決まってたような気もするけど結果的に勝ったし勝てば官軍。



そんなこんなで、本田、カガーという”持ってる”選手を両方起用しつつ、他のメンバーのモチベーションも落とすこと無く、上手に振り分けてるウマさに加えて、ギャンブル采配も当てて優勝しちゃったザックのツキというか思い切りの良さって”持ってる”なーと思います。


岡崎、内田、長谷部、吉田、長友、川島あたりも感化されて海外で揉まれてバケれば、もしかしたら”持ってる”選手に変貌するかもしれませんよね。特に攻撃面でのゴールへの積極性とプレーの安定感がまだ不足してると思うけどポテンシャル的には十分期待できる選手が多いと思います。



コンフェデ杯も楽しみですね。

サッカープレーヤーズレポート 超一流の選手分析術

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